続☆へたれハンター辻護衛道中

シルクロードOnLineインダス鯖で活動中。命をかけてネタを探す、Tata_Young(たたやん)の日記

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ある日の事でございます。
御釈迦様は極楽の蓮池のふちを、一人でぶらぶらお歩きになっていらっしゃいました。

やがて御釈迦様はその池のふちに御佇みになって、ふと下の容子をご覧になりました。
この極楽の蓮池の下は、ちょうど地獄の底に当っておりますから、
水晶のような水を透き徹して、三途の川や針の山の景色が、
ちょうど覗き眼鏡を見るように、はっきりと見えるのでございます。

すると、その地獄の底に、にゃん陀多というバードが一人、
ほかの罪人と一緒に蠢いている姿が御目に止まりました。







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このにゃん陀多は、格上ハンターを転ばせて、さると一緒に笑ったり、
始皇帝稜B4で放置している人を盾で吹っ飛ばして、茂みの中へ押し込んだりと、
色々と極悪非道な悪事を働いた大泥棒でございますが、
それでもたった一つ善い事をした覚えがございます。







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ある時、にゃん陀多が歩いておりますと、小さな蜘蛛が一匹路ばたを這って行くのが見えました。
そこでにゃん陀多は早速足を挙げて、踏み殺そうといたしましたが、
「いや、いや、これも小さいながら命のあるものに違いない。
その命を無暗にとるということは、いくらなんでも可愛そうだ」と、
急にこう思い返して、とうとうその蜘蛛を殺さずに、助けてやったからでございます。







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御釈迦様は地獄の様子をご覧になりながら、それだけの善い事をした報いには、
出来るならにゃん陀多を地獄から救い出してやろうとお考えになりました。

幸い側を見ますと、蓮の葉の上に極楽の蜘蛛が一匹、
美しい銀色の糸をかけて居ります。







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御釈迦様は、その蜘蛛の糸をそっと御手に御取りになって、
遙か下にある地獄の底へ、まっすぐにそれを御下ろしなさいました。







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こちらは地獄の底の血の池で、ほかの罪人と一緒に浮いたり沈んだりしていた、
にゃん陀多でございます。
何気なく頭を挙げて、血の池の空を見上げますと、
遠い遠い天上から、銀色の蜘蛛の糸が、するすると自分の上へ、
垂れて参るではございませんか。

この糸に縋りついて、どこまでものぼって行けば、きっと地獄から抜け出せ、
うまく行くと、極楽へ入ることさえも出来ましょう。

こう思いましたからにゃん陀多は、早速その蜘蛛の糸を両手でしっかりとつかみながら、
一生懸命に上へ上へとたぐりのぼり始めました。
元より大泥棒の事でございますから、こういう事には、
アプデ前から慣れ切っているのでございます。







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しかし地獄と極楽の間は、何万里となくございますから、
ややしばらくのぼるうちに、とうとうにゃん陀多もくたびれて、
まず一休み休むつもりで、糸の中途にぶら下がりながら、
遙かに目の下を見下ろしました。

すると、一生懸命のぼった甲斐があって、さっきまで自分がいた血の池は、
今ではもう暗の底にいつの間にか隠れて居ります。
この分でのぼって行けば、地獄から抜け出すのも、
存外わけが無いかもしれません。







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ところがふと気が付きますと、蜘蛛の糸の下の方には、
数限りも無い罪人たちが、自分ののぼった後をつけて、まるで蟻の行列のように、
やはり上へ上へ一心によじのぼって来るではございませんか。

にゃん陀多はこれを見ると、驚いたのと恐ろしいのとで、
しばらくはただ、大きな口をあいたまま、目ばかり動かしておりました。
この細い蜘蛛の糸が、どうしてあれだけの人数の重みに堪えることが出来ましょう。
今のうちにどうにかしなければ、糸は真ん中から二つに断れて、
落ちてしまうのに違いありません。

そこでにゃん陀多は大きな声を出して、
「こら、罪人ども。この蜘蛛の糸は私のものだぞ。
お前達は一体誰にきいて、のぼってきた。下りろ、下りろ」とわめきました。







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その途端でございます。
今まで何ともなかった蜘蛛の糸が、急ににゃん陀多のぶら下がっている所から、
ぷつりと音を立ててきれました。ですからにゃん陀多もたまりません。
あっという間もなく風を切って、独楽のようにくるくる回りながら、
見る見るうちに暗の底へ、まっさかさまに落ちてしまいました。







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御釈迦様は極楽の蓮池のふちに立って、この一部始終をじっと見ていらっしゃいましたが、
にゃん陀多が血の池の底に石のように沈んでしまいますと、
悲しそうなお顔をなさりながら、またぶらぶらとお歩きになり始めました。

自分ばかり地獄から抜け出そうとする、にゃん陀多の無慈悲な心が、
そうしてその心相応な罰を受けて、元の地獄へ落ちてしまったのが、
お釈迦さまのお目から見ると、浅ましく思召されたのでございましょう。

しかし極楽の蓮池の蓮は、少しもそんなことには頓着致しません。
その玉のような白い花は、御釈迦様の御足のまわりに、ゆらゆらうてなを動かして、
そのまん中にある金色のずいからは、何とも云えない好い匂が、
絶間なくあたりへ溢れております。

極楽も、もうひるに近くなったのでございましょう。


<おしまい>



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テーマ:純文学 - ジャンル:小説・文学
コメント

相変わらずクオリティが高い文学シリーズです。
読みふけってしまいました。

ちょっと疲れたときに読むと心が癒されるというか…
そんな感じになります。
いつか真似っこしてやるぅ。(無理だけど)
2008/05/20(火) 19:49:00 | URL | 玉琳 #X.Av9vec[ 編集]

懐かしい・・・・・蜘蛛の糸の話しですね~
子供の頃教科書にも載っていたような気がします。

この話、蓮を見ると思い出すなぁ・・・・

叫んだ途端に、ぶら下がってる所から
切れる辺りに、この話の切なさを感じるんです。
2008/05/25(日) 17:54:28 | URL | 壬季pon #JalddpaA[ 編集]

芥川龍之介でしたかね・・・

B4でやけに茂みに隠れてる人を見るのはそういう訳だったのねw
2008/05/25(日) 19:10:26 | URL | あゆ #-[ 編集]

☆玉琳さん
まねっこ、どんどんしてください
で、好きな本を紹介し合えると、大変良いと思います
( ^ω^)

☆壬季ponさん
小学生の時、給食の時間の校内放送で
このお話の朗読が掛かって以来、
トラウマのように心に染み付いております

☆あゆさん
相手を見てやらないと、
うっかり返り討ちにあってしまうこともあります
2008/05/26(月) 23:50:10 | URL | たたにゃん #-[ 編集]
負けずにw
糸にしがみつきますぅ><v
2008/05/28(水) 18:16:54 | URL | みみこ^o^ #-[ 編集]

( ^ー゚)ノぃょぅ
リンクさせてもらいました^^
以上!報告でした^^
2008/05/30(金) 03:56:47 | URL | まさ #N4sINcV.[ 編集]
( ̄▽ ̄ゲラゲラゲラゲラゲラ
次作は「たた沢賢治」のシルク鉄道の夜をキボンヌ(笑
相変わらずクオリティ高いね~

GP稼ぎに疲れ始めた鬼より (`◇´)ゞ
2008/05/30(金) 16:36:33 | URL | FB #N14IgqJs[ 編集]

☆みみこさん
しがみつけ、這い上がれ、
コスモを燃やせ!

☆まささん
リンクありがとうございます!
こちらからも張りました!

☆FBくん
宮沢賢治(・∀・)イイネ!!
さすが、お目が高い
銀河鉄道の夜はちょっと長いので、
もう少し短めのお話で考えてみよう
2008/05/31(土) 14:17:41 | URL | たたにゃん #-[ 編集]

お話の内容は小さい頃に読んで知っていましたが、改めて切なさを感じました^^;

お話の内容とSSが凄く合っていて、ホントに本を読みながら挿絵を見ている様で、凄い感動を覚えましたw

これからも応援して行きますので、ガンバってください♪
2008/06/01(日) 04:00:14 | URL | いちご #b5.M5V.g[ 編集]
芥川龍之介続きで
羅生門希望^^
それっぽい門とか どっかにあったかなぁ....
あと雨を待つのが大変そう^^;
2008/06/01(日) 04:26:10 | URL | Azusa #uQA5OOl.[ 編集]

☆いちごさん
いや、そんな大したものでは。。。(;^ω^)
ともあれ、ありがとうございます

☆Azusaさん
羅生門は(゚∠゚)ムズカスィ~~
おばあさんどうしよう
髪を抜かれた女の人の死体どうしよう
ヽ(´∞`)ノ アウアウ
2008/06/03(火) 18:47:09 | URL | たたにゃん #-[ 編集]
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